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インド進出を成功させるM&Aスキームとは
人口と市場の拡大を背景に、インド進出を検討する日本企業が増えています。
現地に法人を新設する方法もありますが、許認可や販路、人材を備えた企業を取り込めるM&Aは、立ち上げの時間を大きく短縮できる手段です。
ここでは、インドで用いられる主なスキームと実行前に確認すべき規制を紹介します。
インド進出でM&Aが有効となる場面
インドでは業種ごとに許認可の要件が異なり、州によって労務や税務の運用も分かれるため、拠点をゼロから立ち上げると想定以上の時間を要します。
現地企業を取得すれば、許認可や販路、人材を活用できる一方、簿外債務や係争を引き継ぐ可能性があります。
許認可によっては支配権の変更に届出や承認が必要です。
主に用いられるM&Aの手法
主な手法には、株式取得、事業譲渡、合併があります。
株式の取得による参入
多く選ばれるのは、既存株主から株式を譲り受ける方法と、新株を引き受ける方法です。
譲受けでは対価が売主に渡り、新株引受では払込金が対象会社に入るため、資金を現地事業に投じたい場面では後者が向いています。
現地資本を残す合弁の形にする場合は、株主間契約で取締役の指名権や重要事項の拒否権を定めます。
事業譲渡と合併の使い分け
一部門だけを取得したい場合や、係争や簿外債務を包括的に引き継ぐリスクを抑えたい場合は、資産や事業を取得する方法が検討されます。
ただし、契約相手の同意や許認可の再取得・変更が必要になる場合があります。
合併はNCLTの手続を伴うことがありますが、一定の場合には簡略化されたファストトラック手続も利用できます。
スキーム決定前に確認する規制
インドでは、投資そのものと取得の対価の両面に規制が及びます。
外資規制と株式の取得価格
外国からの直接投資は、FDI規制により業種ごとに出資上限や承認の要否が定められており、政府の事前承認が要らない自動承認ルートと、承認を要する政府承認ルートに分かれます。
100%出資が自動承認される業種がある一方、防衛や小売では出資上限や政府承認が問題となります。
外国為替管理法のもとでは、非居住者が居住者から非上場株式を取得する際、国際的に認められた評価方法によって算定された公正価値を下回る価格での取得が制限される点にも注意すべきです。
競争法の届出と現地調査
一定の資産額・売上高を超える企業結合などは、CCIへの事前届出が必要となる場合があります。
2024年9月からは、取引額が200億ルピーを超え、対象会社がインドで実質的な事業活動を行う場合も対象となり得ます。
買収前の調査では、土地の権原、許認可の有効性、労働紛争や税務の係争を確認しておくと、対価の交渉や表明保証の設計に生かせます。
まとめ
インド進出のM&Aでは、株式取得、事業譲渡、合併のいずれを選ぶかで手続きと期間が変わり、外資規制や価格規制、競争法の届出も重ねて検討します。
インド企業の買収や現地拠点の再編については、クロスボーダーの組織再編に携わってきた岡かおりFORTUNA法律事務所へご相談ください。