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業務委託 海外

海外の企業と業務委託契約を結ぶ場合のポイント

海外の企業と取引を行う場合、業務委託契約を結ぶことがあります。
国際取引の難しい点として、法整備や言語の違いなどが考えられます。
今回は、海外の企業と業務委託契約を結ぶ場合のポイントについて考えていきたいと思います。

海外企業と業務委託契約を締結する際の主なポイント

海外企業と業務委託契約を結ぶときの主なポイントして次のようなものが挙げられます。

・契約内容を明確化する
・契約の法的性質を検討する
・基本契約と個別契約を活用する

契約内容を明確化する

業務委託契約は、委託業務の内容や範囲、成果物、報酬、期限などをできる限り具体的に記載することが重要です。
特に、請負型の場合は仕様書や設計図面等で仕事の完成内容を明確にし、委任型の場合は業務の処理方法や注意義務の程度を明記する必要があります。

契約の法的性質を検討する

日本法を準拠法とする場合は、民法上の請負または準委任のいずれかの構成を明確にし、契約書に反映させます。
海外法を準拠法とする場合は、現地法の規定や商習慣に応じて契約条件をレビューする必要があります。
現地の商習慣や外国語での法解釈は非常に難しいため、自社で判断して契約を結ぶと不利益を受ける可能性があるため、注意が必要です。

基本契約と個別契約を活用する

継続的な取引や複数プロジェクトが想定される場合は、基本契約で全体の枠組みを定め、個別契約(SOW)で各案件の詳細条件を規定する方法が有効です。

海外企業との契約特有の留意点

海外企業と業務委託契約を結ぶ時の注意点としては、納期・品質・横流し防止等の条件を具体的に定めることが大切です。
特に、海外工場等に製造を委託する場合は、納期遅延や品質不良、不正流通防止のための条件を契約書に明記したほうが良いといえます。
また、トラブル発生時に直接責任追及できるよう、可能な限り海外企業と直接契約を締結することが望ましいです。
仲介者がいる場合は、トラブルが生じた際にその者にも責任を負わせる条項を盛り込んだ方が良いといえます。
さらに、契約の準拠法を日本法にするのか、訴訟時の裁判所を明確に定めることも非常に重要です。

まとめ

今回は、海外の企業路の業務委託契約を結ぶ場合のポイントについて考えていきました。
国際取引を行う場合、基本契約、個別契約、地域特約などを組み合わせて、対象となる法人や拠点、地域ごとの条件変更や適用可否を柔軟に規定する必要があります。
また、本社と各国子会社・関係会社の役割分担や運用基準を明確にし、社内ルールと実務の連携を図ることも重要です。
自社だけで決断するのは、リスクを伴いますので海外企業との業務委託契約を検討したときには国際法務と言語に精通している弁護士に相談することをおすすめします。